新しいドライアイ点眼薬について(アバレプト点眼液)

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「目がゴロゴロする」「しみる」が残る方へ
ドライアイの新しい点眼薬 アバレプト のご紹介

📅 2026年4月11日 👤 きしもと眼科 院長 岸本隼人 🕐 読了約4分

「ヒアルロン酸やジクアスを使っているのに、目のゴロゴロ・しみる感じが取れない…」
そのようなお悩みを抱える患者様に、2026年4月に発売されたばかりの新しいドライアイ治療薬「アバレプト」をご紹介します。世界で初めて、ドライアイの「痛みのセンサー」に直接働きかける全く新しい仕組みのお薬です。


そもそもドライアイとは?
ドライアイは、涙の量が少なくなったり、涙の質が低下したりすることで、目の表面が傷ついたり、不快感が生じる病気です。スマホやパソコンの長時間使用、エアコンの効いた環境、コンタクトレンズの装用などが主な原因として知られています。
日本では約2,000万人がドライアイと推計されており、現代人の目の悩みで最も多いもののひとつです。「目がしょぼしょぼする」「まぶしい」「夕方になると見えにくくなる」といった症状でお困りの方は、ドライアイが原因かもしれません。


従来の点眼薬と、アバレプトの大きな違い
これまでのドライアイ点眼薬は「涙を補う」「涙を増やす」「目の表面を整える」という3つのアプローチが中心でした。しかし、涙の量や目の傷が改善しても、「まだ目がゴロゴロする」「しみる感じが消えない」という方が一定数いらっしゃいます。

🔹 これまでの点眼薬
・ヒアルロン酸Na(涙を補う)
・ジクアス(涙の質を改善)
・ムコスタ(粘液を増やす)
➡「足りないものを足す」アプローチ
🔷 アバレプト(新薬)
・TRPV1受容体(痛みセンサー)をブロック
・神経の過剰な興奮を抑える
・ゴロゴロ・しみる症状そのものを改善
➡「不快感の根本原因」へのアプローチ


アバレプトはどんな仕組みで効くの?
アバレプトの標的はTRPV1(トリプV1)と呼ばれる受容体(センサー)です。これは唐辛子の辛み成分カプサイシンを感じる受容体と同じもので、角膜の神経に存在しています。
ドライアイの状態では涙の浸透圧が上がったり炎症物質が増えたりすることで、このTRPV1センサーが過剰に興奮し、実際の傷が少なくても「ゴロゴロ」「しみる」「痛い」といった不快な症状を引き起こします。

🔥
TRPV1が過剰に反応
涙の異常により角膜の「痛みセンサー」が敏感になり、些細な刺激でも不快感が生じる
🛡️
アバレプトがブロック
TRPV1を直接ブロックして神経の過剰反応を鎮め、不快症状を和らげる
😊
自覚症状が改善
臨床試験でゴロゴロ・しみる・目の痛みなどの自覚症状が有意に改善
この仕組みは世界で初めてドライアイ治療に応用されたもので、従来薬との併用も可能です。既存の点眼薬と組み合わせることで、より幅広い症状にアプローチできます。


こんな方にとくにおすすめです

✅ アバレプトが特に向いている方
・ヒアルロン酸やジクアス、ムコスタを使っているのに症状が残っている方
・「目の傷は少ないと言われるのに、ゴロゴロ・しみる感じがある」という方
・目の神経過敏(神経障害性角膜炎)が疑われる方
・スマホ・パソコン使用が多く、目が疲れやすい方
・コンタクトレンズ装用後に目の違和感が続く方


使い方・用法

1
よく振ってから使う
アバレプトは「懸濁性」点眼液(成分が沈殿しやすい液体)です。使用前に必ずよく振って均一になってから点眼してください。
2
1回1滴、1日4回
朝・昼・夕・就寝前など、1日4回に分けて点眼します。他の点眼薬と同時に使う場合は5分以上間隔をあけてください。
3
上向きで直立保管
ボトルを立てたまま(キャップを上にして)保管してください。横向きや逆さまにすると正しい量が出にくくなります。
4
処方は14日分が上限(当面)
新薬のため、現在(2027年3月末まで)は1回の処方につき14日分が上限となっています。定期的な受診が必要です。


使用上の注意点

⚠️ 以下の点にご注意ください
点眼直後の視界のかすみ:一時的に目がかすむことがあります。点眼後すぐの車の運転・機械操作はお控えください。
眼部冷感・霧視:目に冷たい感覚やかすみを感じる場合があります(1〜5%未満)。通常は一時的なものです。
体温・熱感覚への影響:まれに熱いものを感じにくくなる場合があります。高温のものの取り扱いにご注意ください。
自己判断での中止はしないでください:症状が気になる場合はすぐにご相談ください。
保険適用外(自由診療):現時点では保険適用外のお薬です。費用については診察時にご案内します。


よくあるご質問

Q. 今使っている点眼薬と一緒に使えますか?
はい、ヒアルロン酸やジクアスなど従来のドライアイ点眼薬との併用が可能です。複数の点眼薬を使う場合は5分以上間隔をあけてください。

Q. 効果はいつごろから感じられますか?
臨床試験では数週間の継続使用で自覚症状の改善が確認されています。個人差がありますが、まずは1〜2ヶ月継続して様子をみることをおすすめします。

Q. コンタクトレンズをしたまま点眼できますか?
懸濁性点眼液のため、コンタクトレンズを外してから点眼してください。点眼後は5〜10分ほど待ってからレンズを装用するとよいでしょう。

Q. コンタクトレンズをしたまま点眼できますか?
懸濁性点眼液のため、コンタクトレンズを外してから点眼してください。点眼後は5〜10分ほど待ってからレンズを装用するとよいでしょう。


院長からひとこと
ドライアイは単に「涙が少ない」だけの病気ではありません。目の神経が過敏になることで、検査の数値上は改善していても症状が続くケースが少なくありません。アバレプトはそのような「症状の根っこ」にアプローチできる、従来なかったタイプのお薬です。
「もう目薬は試した」とあきらめていた方も、ぜひ一度ご相談ください。患者様一人ひとりの目の状態をしっかり診察したうえで、最適な治療をご提案いたします。

👨‍⚕️
岸本 隼人(きしもと はやと)
きしもと眼科 院長 / 眼科専門医

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