当院の緑内障診療について(2026年最新)

👁 緑内障・最新治療について

緑内障とは?点眼薬の種類・MLT治療を解説

神戸市東灘区 きしもと眼科 院長 岸本隼人

こんにちは、神戸市東灘区のきしもと眼科・院長の岸本隼人です。

緑内障は日本人の失明原因の第1位を占める重篤な目の病気ですが、早期に発見して適切な治療を続けることで、視野の維持・進行の抑制が可能です。今回は緑内障の基礎知識に加え、点眼薬の種類とその違い、そして当院で導入している最新のレーザー治療MLT(マイクロパルスレーザー線維柱帯形成術)について詳しく解説します。

第1位
日本人の
失明原因
40歳以上
約20人に1人が
緑内障と推計
5種類
作用機序の異なる
点眼薬を使い分け
imo vifa
最新の視野検査機器
を導入
目次

🔍 緑内障とはどんな病気?

緑内障とは、視神経が傷つくことによって視野(見える範囲)が徐々に欠けていく病気です。多くの場合、眼圧(眼球内の圧力)の上昇が視神経を圧迫することで起こりますが、眼圧が正常でも緑内障になる「正常眼圧緑内障」も日本人には多くみられます。

視野の欠けは中心部から離れた周辺部から始まることが多く、末期になるまで自覚症状が出にくいのが特徴です。気づかないうちに進行していることが多く、定期的な眼科受診が非常に重要です。

⚠️ 一度失ってしまった視野は、現在の医療では元に戻すことができません。治療の目的は「これ以上進行させないこと」です。だからこそ、できるだけ早めの受診・早めの治療開始が何より大切です。

📊 緑内障の頻度と当院の状況

緑内障は40歳以上の約20人に1人が罹患しているとされる、決して珍しくない病気です。当院にも非常に多くの緑内障の患者様が通院されており、力を入れて診療に取り組んでいる分野です。

⚠️ 緑内障は現在のところ残念ながら根治する治療法がなく、一生付き合っていく病気です。治療を中断したり自己判断でやめてしまうと、自覚症状がないまま視野障害が進行し、ひどい場合には視野がなくなり失明してしまうこともあります。だからこそ、治療を中断せずに継続することが何より大切です。

⚠️ こんな方は要注意

  • 40歳以上(加齢とともにリスクが上昇)
  • 家族に緑内障の方がいる(遺伝的リスク)
  • 強度近視(−6D以上)がある方
  • 眼圧が高いと指摘されたことがある方
  • 最近視野が欠けてきた・視力が落ちたと感じる方
💡 緑内障は遺伝的な要素が大きく関わる病気で、ご両親やご兄弟など血縁者に緑内障の方がいる場合は発症リスクが高くなります。ご家族に緑内障と診断された方がいる場合は、自覚症状がなくても積極的に眼科検診を受けていただくことをおすすめします。早期発見が将来の視野を守る最も確実な方法です。

💊 緑内障の点眼薬の種類

緑内障治療の基本は点眼薬による眼圧コントロールです。点眼薬は作用機序によっていくつかの種類に分類され、症状や体質に応じて単剤または複数を組み合わせて使用します。

① プロスタグランジン関連薬(第一選択薬)
房水(目の中を流れる水)の排出を促進し、最も効果が高いとされる点眼薬です。1日1回、就寝前に使用するのが一般的です。全身への副作用は少ないですが、まつ毛が伸びる・目の周りの色素沈着・上眼瞼陥凹(まぶたのくぼみ)などの局所的な副作用が出ることがあります。

商品名一般名
キサラタンラタノプロスト
タプロスタフルプロスト
トラバタンズトラボプロスト
ルミガンビマトプロスト
レスキュラウノプロストン
② EP2受容体作動薬
プロスタグランジン関連薬の仲間ですが、異なる受容体(EP2受容体)に作用する新しいタイプの薬です。色素沈着・まつ毛異常などの副作用が少ないのが特徴ですが、充血が出ることがあります。白内障手術で眼内レンズを挿入している方・水晶体がない方には使用できません(黄斑浮腫のリスクがあるため)。

商品名一般名
エイベリスオミデネパグ イソプロピル
③ β遮断薬(第一選択薬)
房水の産生そのものを抑えることで眼圧を下げます。プロスタグランジン関連薬と並ぶ第一選択薬で、瞳孔に作用しないため見え方への影響が少ないのが特徴です。気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患・心不全・徐脈などのある方は使用できないことがあります。

商品名一般名
チモプトール/リズモンチモロール
ミケランカルテオロール
ベトプティックベタキソロール
④ 炭酸脱水酵素阻害薬
房水の産生を抑制するタイプの点眼薬です。第一選択薬の効果が不十分な場合や、副作用で使用できない場合に追加・併用されることが多い薬です。点状角膜炎(ゴロゴロ感)などの副作用が報告されています。

商品名一般名
エイゾプトブリンゾラミド
トルソプトドルゾラミド
⑤ α2刺激薬・ROCK阻害薬
それぞれ異なる仕組みで房水の排出を促進・産生を抑制します。比較的新しいタイプの薬で、他の点眼薬で効果が不十分な場合の追加治療として使用されることが多いです。ROCK阻害薬(グラナテック)は世界初の作用機序を持つ薬として2014年に発売されました。点眼後に一時的な結膜充血が出やすいのが特徴です。

商品名一般名
アイファガン(α2刺激薬)ブリモニジン
グラナテック(ROCK阻害薬)リパスジル

💡 配合点眼薬について

2種類の点眼薬を1本にまとめた配合点眼薬も広く使用されています。点眼回数を減らせる・点眼にかかる時間を短縮できるというメリットがあり、複数の点眼薬が必要な方の負担軽減につながります。

商品名配合内容
ザラカムプロスタグランジン関連薬+β遮断薬
デュオトラバプロスタグランジン関連薬+β遮断薬
タプコムプロスタグランジン関連薬+β遮断薬
ミケルナプロスタグランジン関連薬+β遮断薬
コソプト炭酸脱水酵素阻害薬+β遮断薬
アゾルガ炭酸脱水酵素阻害薬+β遮断薬
グラアルファROCK阻害薬+α2刺激薬

※ ミケルナはカルテオロール(β遮断薬)とラタノプロスト(プロスタグランジン関連薬)の配合点眼薬で、防腐剤(ベンザルコニウム塩化物)を含まないため角膜への刺激が少ないという特徴があります。

点眼薬選びのポイント
点眼薬の選択には、目標とする眼圧の値、生活スタイル、他のお薬との相性、全身疾患の有無などが影響します。自己判断で点眼を中止・変更せず、必ず医師と相談しながら決めていくことが大切です。

緑内障の点眼薬は非常に種類が多く、毎年のように新しい点眼薬が登場しています。しかし、効果や副作用の出方には個人差が大きく、ある方によく効く点眼薬が別の方には合わないこともよくあります。「しみる」「充血する」「効果が十分でない」といった場合には、別の種類への変更や、作用機序の異なる点眼薬を組み合わせるなど、お一人おひとりに合った形を工夫しながら見つけていくことが治療の基本です。当院でも患者様の反応を確認しながら、根気よく最適な組み合わせをご一緒に探していきます。

🔬 当院の視野検査機器「imo vifa」

緑内障の診断・進行確認には視野検査が欠かせませんが、従来の視野検査は「時間がかかる」「アイパッチで片目を覆う必要がある」「暗室での検査が必要」など、患者様にとって負担の大きい検査でした。

視野検査機器 imo vifa

当院で導入している視野検査機器「imo vifa」

当院では最新の視野検査機器「imo vifa(アイモ ビファ)」を導入しており、両眼を開いたまま・暗室不要・片眼あたり約2分30秒〜4分30秒という短時間で検査が完了します。患者様の負担を抑えながら、緑内障の早期変化を効率よく検出することができます。

✨ MLT(マイクロパルスレーザー線維柱帯形成術)とは?

点眼治療を続けても眼圧が十分に下がらない方や、毎日の点眼が負担に感じる方に向けて、当院ではMLTというレーザー治療を導入しています。低出力のマイクロパルスレーザーを房水の流出路である線維柱帯に照射することで、線維柱帯を傷つけることなく眼圧を下げる治療です。

従来のレーザー治療(ALT・SLT)ではレーザーで組織を焼灼するため再照射に制限がありましたが、MLTはレーザーが組織を障害しないため、同じ部位に繰り返し照射できるという大きなメリットがあります。

🔁 繰り返し施術できる

組織を傷つけないため、同じ部位に何度でも再照射が可能です。

😌 痛みがほとんどない

低出力での照射のため、麻酔の目薬のみで行えます。

⏱ 5〜10分で終了

治療は5〜10分程度で完了。当日から通常の生活が可能です。

📅 2〜3年間効果持続

1回の治療で2〜3年間の眼圧下降効果が期待できます。

💴 MLT治療費(保険診療)

MLTは保険診療が適用されます。

片眼あたりの費用の目安

1割負担約9,660円
2割負担約19,320円
3割負担約28,980円

※ 上記は片眼の費用です。両眼の場合はそれぞれの費用がかかります。
※ 別途診察料・検査料が必要な場合があります。

🏥 緑内障の手術について

点眼薬やMLT治療を行っても眼圧が十分に下がらず、視野障害の進行が止まらない場合には手術が検討されます。緑内障手術には複数の種類があり、緑内障の重症度・タイプによって選択されます。

① 低侵襲緑内障手術(MIGS)
角膜を小さく切開するだけで行える、比較的新しい手術方法です。低侵襲・短時間・無縫合で行えるのが特徴で、術後の回復も早い傾向があります。マイクロフック線維柱帯切開法・iStent(白内障手術併用インプラント)などがあり、比較的軽度〜中等度の緑内障に向いています。
② 線維柱帯切開術(眼内法・眼外法)
房水の主な排出経路である線維柱帯を切開し、房水の流出を促進する手術です。眼内から行う方法(眼内法)は低侵襲手術に分類され、従来の眼外からアプローチする方法(眼外法)よりも体への負担が少ないのが特徴です。比較的軽度〜中等度の緑内障に適しています。
③ 線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)
強膜(白目の部分)に房水を排出する新しいバイパス(通路)を作る手術で、緑内障手術の中で最も標準的で、眼圧下降効果が大きい術式です。結膜の下に房水が貯留する「濾過胞」というプールが作られ、そこから房水が吸収されていきます。効果が高い一方、低眼圧・前房が浅くなる・感染などの合併症リスクがあり、術後は定期的な通院・経過観察が重要です。
④ チューブシャント手術
小さなチューブを眼内に挿入し、房水をプレートを通して眼外に導く手術です。線維柱帯切除術が効きにくい難治性緑内障や、過去の手術が不成功だった場合に検討されます。海外での比較試験では、線維柱帯切除術と同等以上の成功率が報告されているケースもありますが、日本ではまだ適応が限定的で、専門性の高い治療です。
⚠️ 緑内障手術は、緑内障で失われた視野や視力を元に戻すものではなく、これ以上進行させないために眼圧を下げる治療です。当院で手術が必要と判断した場合は、緑内障専門の医療機関へ責任を持ってご紹介いたします。

❓ よくあるご質問

Q. 点眼薬は一生続けないといけませんか?
A. 緑内障は基本的に長期的に眼圧をコントロールしていく病気のため、多くの場合点眼治療は継続が必要です。ただしMLT治療などにより点眼の本数を減らせる場合もあります。自己判断で中止せず、必ず医師にご相談ください。
Q. 複数の点眼薬を同時に使っても大丈夫ですか?
A. 作用機序の異なる点眼薬であれば併用が可能で、実際に2〜3種類を組み合わせて治療することも多くあります。ただしエイベリスとタフルプロストの併用のように、組み合わせに注意が必要な薬剤もありますので、必ず医師の指示に従ってください。
Q. MLTを受ければ点眼をやめられますか?
A. 効果が十分な場合、点眼の本数を減らしたり、点眼なしで経過観察できる場合もあります。ただし個人差があり、必ずしも点眼が不要になるわけではありません。治療後の眼圧の経過をみながら判断します。
Q. 手術をすれば視野は元に戻りますか?
A. いいえ、緑内障で失われた視野や視力は手術によって元に戻ることはありません。手術は眼圧を下げることでこれ以上の進行を防ぐことを目的としています。そのため、視野障害が進行する前の早期治療が非常に重要です。
Q. 緑内障は自覚症状がないのに、なぜ治療が必要ですか?
A. 緑内障で失われた視野は回復しません。自覚症状が出る頃にはすでにかなり進行していることが多く、そのまま放置すると失明に至る可能性があります。症状がなくても治療を続け、進行を抑えることが将来の視野・視力を守ることにつながります。

✉️ 院長からひとこと

きしもと眼科 院長 岸本隼人

緑内障は、当院でも非常に多くの患者様が長年通院されている病気です。残念ながら現在のところ根治する方法はなく、一生付き合っていく病気ですが、治療を継続することで視野の維持は十分に可能です。一度失った視野は元には戻らないため、できるだけ早期に発見し、治療を始めることが何より重要です。また緑内障は遺伝的な要素が大きく関わるため、ご家族に緑内障の方がいる場合は、自覚症状がなくてもぜひ検診にお越しください。「毎日の点眼が大変」「目薬を続けることへの不安」といったお声をよく聞きます。緑内障の点眼薬には様々な種類があり、お一人おひとりの眼圧・体質・生活スタイルに合わせて選択することが大切です。当院では点眼治療に加え、最新のMLT治療も導入し、より効果的な緑内障管理を目指しています。点眼やMLT治療でも進行が止まらない場合は、手術が必要な専門医療機関へ責任を持ってご紹介いたしますのでご安心ください。「緑内障と言われたが、どんな治療があるか知りたい」「今の点眼治療に限界を感じている」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。神戸市東灘区・魚崎エリアで緑内障治療をご検討の方は、一緒に最適な治療を考えていきましょう。

本記事は患者様への情報提供を目的としたものです。治療の適応については個人差があります。診察・検査のうえ医師の判断のもとで治療方針を決定いたします。価格・診療内容は予告なく変更する場合があります。

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